遺産は、遺産分割が終了するまで、複数いる相続人全員の共有とされています。よって、遺産の管理は民法の共有物の管理の規定に従って行うことになります。管理とは、具体的には、不動産に改良を加えたり、現金を預金したりといったことで、これらすべては相続人の相続分の割合に従い、過半数ですべてを決定することとなります。

すべて、なにかをするには相続人全員の共同での行為が必要ですが、たとえば他の業者と契約したり、不動産を売るときに買主と契約を交わしたり・・・などをすべて共同相続人全員で行うのは大変面倒ですし、委任状をその都度作るのもとても現実的ではありません。

そこで、実際には、相続人全員で、遺産の管理者を選任しておくことが通常です。選任された管理者は、建物の壊れた部分の補修などの遺産の現状維持のための行為は単独で行えます。